ポスターを見かけ、
ぜひ観に行きたいと思っていた写真展。
いくつかの外回りの用事があったこの日、
用事と用事の間の時間に行ってみた。
敷地内には
いくつか観ることのできる場所があったけど
他の場所には行かず、
まっすぐ ここへ。
NYを拠点として活動していた写真家の稲田さんは、
アメリカ同時多発テロを自宅から目の当たりにした衝撃がきっかけとなって
世界各地の聖地を訪ねるようになり、それがライフワークになったそう。
「神さまがいらっしゃるのならば、
なぜあんな悲劇を起こすのか、
神さまは私たち人類をどこに導こうとされているのか」
・・・と。
世界中の聖地を撮影する中で
「日本人の、全てを受け入れ、祈る感覚こそが、
平和への大切な感性だったのではないかと気が付いた」
とのこと。
10年前 出羽三山を初めて訪れた時は、
山伏の方々と、月山頂上、そして湯殿山へと雨の中を縦走し、
「山の厳しさとご神体の神秘を、体と魂のすべてで受け止めるような体験」
だったそう。
そんな稲田さんが10年間出羽三山に通い、撮ってきた写真には、
私が何度か歩いた月山や羽黒山の、
まだ見たことのない神秘的な姿・美しさが写し出されていた。
・・・青・蒼・碧・・・の中に、
生命のエネルギーを感じさせる赤・朱。
・・・深い緑と光のエネルギーの黄色。
そんなイメージの写真が多かった気がする。
展示室内の壁の天井部分から下げられた和紙に写真が貼られ、
その和紙がユラユラ・ふわふわと動いていて、
神秘的な情景を写した写真たちが静かに小さく揺れ動く展示室内は、
不思議な雰囲気に満ちた空間だった。
「四季の循環は、
人類が生まれるずっと前から続いています。
それはあらゆる命の源となり、
これから先も永遠に繰り返されてゆくのです。
私たちは、その大いなる宇宙の摂理の中で、
自然の一部として生かされているのです。」