ぜひ 観に行きたいと思っていた写真展へ。
過去に土門拳賞を受賞された野町和嘉氏、中村征夫氏、長倉洋海氏をはじめとする
12人の写真家たちが捉えた世界遺産の写真展。
グレート・ジャーニーで知られる関野吉晴さん、松本紀生さんの写真も。
久しぶりの酒田市美術館。
木々の葉が生い茂ってる。
大きなサクラの木。
おもわず立ち止まって眺める。
今回は この右の入り口が開いてる。( ´艸`)
あの建物の中に、
今日は どんな世界が広がっているんだろう。
のんびり歩いて ようやく建物の中へ。
最初の展示室の入り口正面に、
まず 野口和嘉さんの『グレート・バリア・リーフ』(ポスターの上部分の写真)。
「大きな壁一面にクリームソーダ! \(^o^)/」
って感じだった。
この写真展で 特に私が心惹かれたのは、
野町和嘉さんの作品たち。
野町さんの写真を観て、
「写真には、
重さも、硬さや柔らかさも、温度も、風も、あるんだ!」
と改めて思ったのだった。
写真に添えられた言葉も 心に響いた。
◉ピラミッドを上空から撮影した写真についての野町さんの言葉の中から。
「4500年前もの昔、
数万人の労働者たちが 毎日蟻のようにうごめき、
巨石をつみ重ねていたことに思いを馳せながら
人間というものの不可解さに溜息をついた。」
「ピラミッドこそは、
人類が二度と挑戦することのない
恐るべきエネルギーの集積物なのである。」
「25年もの歳月を費やして、延べ1億人が動員されたと試算されている。」
また、
◉『タッシリ・ナジュール』というタイトルの写真は、
縦横3Mほどあるだろうかという大迫力の作品。
太古に描かれた岩絵を写したもので、
描かれた人物がほぼ実物大(約180cm)になるように引き延ばされていた。
『タッシリ・ナジュール』とは、現地語で『川の多い台地』の意だそう。
この土地には 林立する奇岩に太古の岩絵が数多く描かれていて、
その数は およそ2万点にもなるというから驚いた。
「約5000年前、サハラ砂漠が緑でおおわれていた時代、
そこにはゾウ・キリン・カバなどの草食動物がいて、牛の放牧が行われており、
水や緑に包まれ、動物や人間たちが暮らす豊かな台地であったことを示している」
◉『キリマンジャロ国立公園』も印象的だった。
スワヒリ語で「輝ける山」という意味だというキリマンジャロ(5895m)の
空撮写真。
「 3000mまでは 熱帯雨林
3000m以上は 荒地や草原
4000mになると 火山礫や砂の荒地
4500mを超えると 赤道直下にもかかわらず 氷河があらわれる 」
ほかに、
◉『ギョレメ国立公園とカッパドキアの奇岩群』
◉『タージ・マハル』
◉『アレッポの丘とその上に建つ城』
なども素晴らしく、それぞれの作品の前で しばらく眺めていたほど。
相原正明さんの作品も、今の私の心に残った。
◉『ウルルーカタ・ジュタ国立公園』。
エアーズ・ロックとも呼ばれたウルル山。
周囲9km、地表からの高さ348mの巨大な一枚岩は、
地上に見えているのは その岩のほんの一部だろうとのこと。
夕日に赤く染まったウルル山を
その上に広がる空・雲とともに写した作品。
私が そこに行った時に感じた広さや時間の流れを思いだした。
◉『クレイドル・マウンテン』
「年間270日雨が降り 気象変化が激しく 一日のうちに四季がある。
真夏でも夜明けに吹雪の撮影をし、
昼、燦々と輝く太陽の下 バーベキューランチを楽しめる」
「世界一の空気の中で、野生動物に囲まれ、森の木々と語り、暮らすことができる。
クレイドル・マウンテンは、人生最高の場所かもしれない。
地球と会話したくなると僕は、いつもここに戻ることにしている。」
・・・私にも「いつも ここに戻る」という場所が見つかればいい。
関野吉晴さんの『ロス・グラシアレス』の前でも立ち止まる。
「煙を吐く山」の意だというパタゴニア南部の「フィッツロイ(3441m)」は、
ほとんど雲におおわれていて、姿を現すことは珍しいという。
関野さんが捉えた その山の形、そこに掛かるピンク色の雲は、
シルエットになっている手前の山々も含めた全体の色とともに 心に残った。
平日の午前中の 静かな美術館。
そこで すばらしい写真の数々をのんびり眺める・・・
う~ん、贅沢な時間だったなぁ。(*´ω`*)
心に残る風景に、
私も たくさん出会えたらいい・・・。