12:27 伏拝岳の分岐から 湯ノ台コースへと下り始めた。
どうか、無事に急坂を下っていけますように!
昼食後に痛み止めの薬を飲んだから、もうすぐ効き始めるかもね。
外輪を下って行く人たちを見たりして。
さぁ、ここから薊坂を下るよ。
「あそこまで、この標高差を下るのか~?!」
と不安でいっぱいな様子の夫。
ゆっくり少しずつ下って行こ!
せっかくだから、ちょこちょこ景色を眺めながら下ろ!
ほらっ! 河原宿が見えるよ~。\(^o^)/
「あんなに下らなきゃいけないのか・・・。😞」
ほらっ! 月山森が見えたよ~! \(^o^)/
あの辺りにも まだ雪渓が残ってるね~。
ほらほら! 月山森の方に行く木道が見えるよ~!\(^o^)/
「ほんとだ・・・。」
「ほら! 下に赤いのが見える。ナナカマドかな~。」
「ほんとだ・・・。」
ほらっ! ちょっとガスが流れてる様子がイイ感だよ~! \(^o^)/
振り返ると 青空が見えるよ~。
「おお。」
・・・と、
ちょこちょこ立ち止まっては 景色を眺めながら
ゆっくりゆっくり薊坂を下り切った。
「痛み止めが全然効かない~」
無事に薊坂を下って来れて良かったね~。
水音が聞こえるなぁと思ったら、
チョロチョロ流れていた。
遅くまで雪渓が残っている辺りは 草が黄緑色。
ゴロゴロした石がいっぱいのところを向こう側に渡るよ。
ほらほら! 最上川が見えるよ!
「ほんとだぁ・・・」
けっこう下ってきたね~。
「おお~」
向こう側に渡るよ。
ほら、さっき下ってきた薊坂が見えるよ~!
( 薊坂の下りが一番不安だったとのこと。)
月山森の方から単独の男性が来た。
膝の痛みが強くなって ちょっと立ち止まっていた夫を見て、
「テーピングでしたら持ってますよ」
と声をかけて下さった。
「ありがとうございます。いちおうサポーターをしてきたので大丈夫です」
と答えた夫。
「あの人、消防士って感じの人だったなぁ・・・」
と つぶやいた。
うん、そんな感じの人だったね。
滝ノ小屋の方の登山口からスタートし、
予想より早く2時間半くらいで外輪に上がったので 周回してきたとのこと。
見るからに鍛えていそうな感じだったもんね。
「オレは、暴飲暴食で 春から5kg体重が増えたよ・・・」
・・・5kg分多くの荷物を 背負ってるのと同じだね。(;^ω^)
15:15頃 河原宿。
ちょっと休憩。
「八丁坂も時間かかりそうだな~」
・・・暗くなる前には下山できるから大丈夫だよ。
「暗くなるまでなんて、歩きたくないよ」
でも、焦らないで ゆっくり下ろうね。
ほら、積雪期は、あの尾根を登って滝ノ小屋まで来たんだよ。
「へぇ・・・」
『八丁坂 中間』って書いてあるのが見えるぞ。
ほら! 下の方に 登山口の近くの建物が見えたよ。
「まだ、あんなに下るのかぁ・・・」
ストックを使って 慎重に下ってくる夫。
「わりぃな。
オレの体重で ストックが変形してる可能性あるなぁ」
ストックが少しくらい変形したってかまわないから、
とにかく無事に下山できればいいよ。(;^ω^)
『あと一丁』
ほら、滝ノ小屋が見えたよ!
「まだ あんなに下るのかぁ・・・」
「少しずつ陽が傾いてきたな」
うん。でも ここまで来たら、暗くなる前に下山できるから ゆっくり行こ。
「いや、早く下山してしまいたい」
16:44 滝ノ小屋。
朝の天気がウソのように、スッキリ青空。
おお~! ほらほら、外輪の方がキレイだよ!\(^o^)/
あそこまで登ってきたんだよ!
「うん・・・それより、早く下山したい・・・」
17:08 下山。良かったね~!
「まずトイレに行ってくる!」
・・・スタートから下山まで約11時間、
緊張と痛みで尿意を感じなかったそうだ。(;^ω^)
「オレの膝の状態で鳥海山に登るなんて、やっぱり無謀だったな・・・。
一歩間違えればヘリコプターのお世話になる可能性もあったし・・・
お前に迷惑もかけたし・・・。」
よほど緊張と痛みに耐えながら歩いてきたのだろう。
よく頑張ったね。
小屋泊まりできる状況になったら、山頂小屋に泊まって新山に登る?
と訊いたら・・・
「もう2度と登らない!」
・・・だって。(;^ω^)