すでに管理人さんが入らなくなった静かな御浜小屋に
「お願いしま~す」と挨拶。
大きなザックを小屋に置き、
最小限のものだけを持って 千畳ヶ原へ出発。
長坂道へ。
普段なら気にとまらない景色なのに、
一瞬光が差し込むと そこに心が吸い寄せられて 撮ってしまう。
影と そこに差す一瞬の光って、魔法みたいだなぁ。
「shooting star」…に見えた(笑) 。
私が あっちこっちで立ち止まっている間に、
Yさんは あそこに。
チングルマのかたまり。
やっぱり気になる ハクサンシャジンの種さや。
花穂が取れて茎が残ったチングルマ(笑)。
紅葉した葉の間から ひょんひょん突っ立っていて オモシロイ。
長坂道の分岐から 鳥海湖の方へ下りていく女性2人の姿が見えた。
岩峰と笙ヶ岳三峰の間に ガスが流れ込んできた。
いつも気になってとってしまうこの場所。
陽が差したら、また撮ってしまう。
その間に Yさんは すでにあそこに。
いつもと違ってみえる鍋森。
・・・が気になって眺めてる間に、
Yさんは さらに進んでる。
キンコウカの葉の色の変わり方が なかなか素敵だなぁ・・・
・・・なんて しゃがみ込んで見てる間に、
Yさんは 鳥海湖の近くに。
御浜小屋の方の斜面の草紅葉も なかなかキレイだなぁ・・・
・・・と眺めてる間に
Yさんの姿は見えなくなり、
向こうからやってくる人たちの姿があった。
いたいた!
(写真では 分かりづらいけど。)
斜面に残っていた雪渓が解けてしまい、
鳥海湖に流れ込む水がなくなって、水音のない静かな鳥海湖。
水量も少なく、ちょっと寂しい感じかな。(;^ω^)
山頂の方は ガスの中。
鳥ノ海分岐に出ると、
これから向かう千畳ヶ原と そこに続く木道が見えた。
下り始めて間もなくの所にあった地層が 目に入った。
紅葉したトウウチソウの葉が そこらじゅうに。
この先も急な下り。
道に 両側の草がかぶさってるところも多く、
気を付けて下った。
オヤマリンドウの葉も秋色。
今度こそ甘いベニバナイチゴを食べることができるかと 食べてみたら・・・
やっぱり酸っぱかった。(;^ω^)
ややっ! ( ゚Д゚)
頼むから ガス晴れてくれ~!
しかし・・・
晴れるどころか、
雨が降り出してきたではないか!!
こんな予報じゃなかったのにな~。
ふり返った景色も どよよ~ん。
ユキザサの赤い実に ちょっと元気をもらったけど・・・
レインウェアを着なければならないほどの雨に。
「 陽が差してオレンジ色に染まる草紅葉を撮りたいな~」
とYさんはおっしゃってたけど・・・
今日は 難しいようですね。(;^ω^)
でも、雨が上がって 少し空が明るくなったときにパチリ。
庄内平野も黄金色。
1週間前に登った幸治郎沢の辺り、紅葉がイイ感じ。
日本海が 夕日に照らされて光り始めた。
私が海を眺めてる間に 撮影に入っていたYさん。
草紅葉より やはり海が気になる私。
わわっ。なんだかスゴイ凸凹。
これも火山活動の跡?
・・・と紅葉を眺めるも、
再び 海の方を眺める。
いろんな色があって 不思議な感じだった斜面。
緑色の所には、遅くまで雪渓が残ってたんだな。白い花が咲いてるし。
文殊岳も辺りのガスも晴れた。
池塘に映る 逆さ扇子森。
「仕方がない。もう戻ろう。」
と Yさん。
登山指数Aランクで ☀マークが並んでたのに・・・
ガスに雨。
山の天気って、
ホントに 登ってみないと分からないもんですね~。
蛇石流の分岐近くまで来て ふり返ると、
少し空が明るくなって・・・
向こうの斜面に陽が当たってるではないか。
え~っ。どうしてさっき晴れてくれなかったんだ~
と思ったけど、仕方ない。
陽が傾いてきたし、
千畳ヶ原には戻らずに 御浜小屋へ戻ることに。
気になって 何度もふり返りながら坂を登る。
月山森の上の方にも 少し陽が差して。
いつか オレンジ色に輝く千畳ヶ原を観にくる機会があるといいな。
鳥ノ海分岐から 鳥海湖の方へ行く辺りで 小休止。
小腹が空いた私は、Yさんからいただいたどら焼きをパクパクしつつ・・・
空を眺めたり 千畳ヶ原の方をふり返ったり。
・・・と、
「Yさん! 向こうに陽が差してますよ!」
膝の調子が良くないからと ゆっくり歩いていたYさんが、
急に小走りで 鳥ノ海分岐の方へ戻っていった。
その速さにビックリ。( ´艸`)
ヒダヒダも オレンジ色!
向こうに浮かぶ雲も ほんのりオレンジ色。
良かったですね! Yさん!
小屋泊だからこそ出会うことができた色彩に感激しつつ・・・
「来て良かった・・・」と思いながら
鳥海湖の方へと 再び歩き出した。
少しずつ少しずつ 夜に近づいていく。
少しずつすこしずつ鳥海湖にも 夜が降りてくるんだな。
辺りは 少しずつ薄暗くなっていく。
この時の私は、
夕方の雲に惹かれていた。
・・・④へ続く・・・