このタイトル、カッコイイ。
これは、
『patagonia』の創始者であるイヴォン・シュイナード氏の言葉だそう。
(この本は、石川直樹さんがイヴォン氏が来日した時に
一緒に鎌倉を訪れた時の話から始まっていた。)
私が 石川直樹さんのことを知ったのは、
土門拳記念館で 石川さんの写真展を観て。
石川直樹さんは、
高校時代に インド・ネパールを一人旅 (@_@) して以来
世界中を旅するようになったという探検家であり、
写真家でもある。
2000年、23歳の時に
地球縦断プロジェクト『Pole to Pole』に参加。
北極点から南極点までを人力踏破。
2001年、24歳の時に
チョモランマに登頂し、
当時の世界七大陸最高峰登頂の最年少記録を塗り替えたそうだ。
その後も 世界各地を旅し続けているという彼のこの本を読んでいて、
本全体に 緩やかで穏やかな風が吹いているような感じがした。
そして 透明感。
それは、
石川さんが、
旅した土地の姿・自然、そこに住む人たちの暮らしを
ありのままに受け止め、
畏怖をもって見つめているからなのではないだろうか。
文章を読んでいると、
石川さん自身が 風になって
地球を旅しているように感じられた。
心惹かれた文章が たくさんあったけれど、
その中から あとがきにあった文章を。
「 人間は あらゆる環境を生き延びる野生を持ち、
その土地を生き抜く強い生命力を備えている。
歩き続けることによって、
肉体も精神も変化し続け、
その過程で あらゆるものは削ぎ落とされて、
最後には 本当に必要な知恵だけが残る。
人は 旅の中で 見て、聞いて、感じ、考える。
厳しいフィールドに身を置いているときに感じる幸せも、
異文化の中で生活しているときに感じる幸せも、
それは変化を求められることへの喜びなのかもしれない。
ぼくは まだまだ歩き続ける。
自分にとって生きることは旅することだ。
それは揺るぎない。 」