3月に入ってから行こうと思っていた土門拳記念館。
この日 行くことにした。
久しぶり。
隣りの飯森山公園側は工事中。
新しい遊具を設置したりしているいるようだ。
息子が小さかった時、
ドライブしながら 何度か来たことあるなぁ。
この辺りを歩くと・・・
日常生活から離れ、
非日常の世界へ入っていく感じ。
記念館内は、
土門拳の作品以外は 撮影可。
窓の向こうに見える景色と
窓ガラスに映った景色と。
窓から眺めた風景とか 館内の様子を パチリパチリ。
一昨年に行った『植田正治写真美術館』を思い出す。
鳥取の大山山麓にあるその写真美術館の建物も とても素敵で、
何時間でもぼ~っと過ごしていたい感じだったのを覚えている。
そういえば・・・
その植田正治氏と土門拳氏は、親交があったそうで
植田氏の写真に 土門氏が写っているものもあった。
お二人の写真の作風?は違うけれど、
私は どちらの写真も好き。
展示室に向かう通路の
この ほの暗さがいいんだな。
トイレからの出口の こんな光と影も計算して
建物が造られたんだろうか。
土門拳氏の写真はもちろんのこと、
建物がつくる光と影の風景も美しい。
今回の『室生寺 モノクロの光と影』。
思っていた通り、
心にズシンと響いた。
油絵などは、大きな作品が並んでいると、
作品によっては 重苦しさや圧迫感があって
「じっくり観なくてもいいかな・・・(;^ω^)」と感じて
サッと観て その場を離れてしまう場合もあるのだけど・・・
土門拳氏の作品は、
大きく重く深く迫力のある作品たちが並んでいながら
そこに感じるものは 重苦しさや圧迫感とは違う。
上手く表現できないけれど、
大きな鐘を打ち鳴らした音が ずうっと響いて・・・
その音が 自分の心や体の中にも響いてくるような感じ。
今回観た作品の中で 今の私の心に特に残ったのは、
第1展示室 正面の広い壁に展示されていた
『釈迦如来坐像脚部』
『釈迦如来坐像翻波衣文』
『釈迦如来坐像左手』
『釈迦如来坐像右手』
そして
『たそがれる室生山(秋)』
『室生山朝ぎり』
それらの写真の
光と影が とても美しかった。
池の鯉に餌をやっている人たちが 奥の方に見えた。
池の方、木々の向こうに 真っ白な鳥海山の姿がチラチラ。
時おり、
池の水面を 風が渡っていくのが見えた。
あれ? 池の水の一部だけキラキラ光ってるぞ、と思ったら・・・
斜め後方からの光(日光が水面に反射した光)が
間の前のガラスに映っているのだった。
この展示室で観たのは『昭和の手仕事』。
土門氏は、戦前の職人の手仕事も多数撮っていたのだそうだ。
私は、職人さんの仕事いろんな人の手仕事の様子を見るのが好きなので
この展示の写真にも とても 惹かれた。
繰り返しの作業の中に
より良いものをつくるための工夫があったり
使う人のことを考えてつくる想いがあったり。
そんな手仕事をしている人の『手』には
とても「表情」があると感じた。
室内に差し込んだ光が 窓ガラスにうつる。
この窓ガラスに映っている人の姿。
右側に立っているのが私。
左側に座っているのは・・・
後方の椅子に座っている人。
不思議な私の影。
上半身と脚の影が重なり、
さらにその上にも足の影。
この展示の写真たちも素敵だった。
「2枚の写真、変わったのはどこでしょう?」・・・みたいな。( ´艸`)
とっても心に響いた写真展。
期間中。もう一度 観たいな。
・・・と 満足感に浸りながら 記念館を出た。
・・・②へ続く・・・