この靴を買ったのは、2011年3月18日。
今日で ちょうど6年経った。
この靴を買った1週間前の3月11日、
自宅も大きな揺れに襲われた。
幸い自宅周辺は停電しなかったので、テレビをつけてみたら・・・
その1ヵ月ほど前に参加した『いわきサンシャインマラソン』で走ったコースに
津波が押し寄せてきた映像が映し出されていた。
初めて参加した『いわきサンシャインマラソン』。
地元の人たちの応援があたたかく、とても雰囲気の良い大会だったので、
一緒に参加した知人と「毎年参加したい大会だね」と言っていた。
その大会で自分が走ってきた所が、濁流に飲み込まれていたのだ。
それから毎晩、ニュースに映し出される映像を泣きながら見ていた。
ショックのあまり 目を背けるのではなく、
ショックのあまり 見ずにはいられなかった。
そうしたら、
日に日に体調が悪くなって・・・
気持ちも落ち込んで・・・
ついに内科を受診。
「 このままでは いけない。
何か 元気が出ることがほしい・・・」
と思いながら向かったのが、
以前から気になっていた 靴とカバンの店。
体も頭もフワフワした感じで 店のドアを開けた時、
ちょうど目の前にあったのが この靴だった。
パッと目に入って、一目惚れ。
久々にワクワクした気持ちになった。
そして、
お店の方が着ているシャツの真っ赤な色が目に入り、
少し元気が出てきた気がしたのだった。
「 赤とか紫は、“派手だから”と敬遠されがちですけど、
実は 何にでも合う色なんですよ。
ハッキリした色も取り入れて、自分が着たいものを着て、
オシャレして、楽しんでくださいね!」
・・・と言われて、何だかすごくジ~ンときた。
どうして『靴』だったのだろう?
一歩一歩 前に進みたい、と思ったのもある。
自分らしく歩いていきたい、と思ったのもある。
ずっと大切に使えるものを一つ持ちたい、と思ったのもあるかな。
それからもジャージにランニングシューズで過ごすことが多かったけど、
ちょっと出かけるときには この靴を履いた。
あれから6年。
買ったときは ピンクっぽいベージュ色だった靴が、
少しずつ変化して、明るい茶色になってきた。
この靴を買った時に思ったことを忘れずに、
大切に履きながら、
色の経年変化を楽しんでいこう。