大好きな谷川俊太郎さんの詩集。
この中に収められている6つの詩、
みみをすます
えをかく
ぼく
あなた
そのおとこ
じゅうにつき
は、全てひらがなだけで書かれている。
そのことばの一つ一つが
私の心や体の奥まで届くような…深いところとつながるような…
そんな感じ。
ことばの波動が 自分の波動と共鳴して
細胞の一つ一つが 振動するみたいな…。
詩と詩の間には 柳生弦一郎さんの絵。
たくさんのぼくやわたし、あなたの顔が
あの独特のこどもが描いたような表情で描かれていて
谷川さんの詩とピッタリ。
どの詩もよかったけれど、
山歩きをしている私が うんうん…と思った詩の一節は・・・
みみをすます
じゅうまんねんまえの
こじかのなきごえに
ひゃくねんまえの
しだのそよぎに
せんまんねんまえの
なだれのおとに
いちおくねんまえの
ほしのささやきに
いっちょうねんまえの
うちゅうのとどろきに
みみをすます
( “みみをすます”より )
「ことばは こころやからだに ひびく」ということを
実感できる詩集。