この先 少し行くと、ちょっと急な石段になるよ。
ゆっくり行こうね。
と言いながら、賽の河原を出発。
遠くの景色を眺めるのを楽しみにしていた母。
ガスで真っ白でガッカリしているかと思ったけど、
久々に山を歩けるだけで ウキウキしてるようだ。
後ろから来た方たちに 先を譲り、
のんびり あちらこちらを眺めながら行く。
「あっ! アザミ!」
「可愛いのぉ~」
「この紫色が なんとも素敵じゃないの~」
この色のアザミを見て そんなふうに感じるところが母らしい。
母は ちょっと変わった感覚をしている、
と思う。
この辺りまで来たら、
けっこう風が強くなってきた。
細かい毛に小さな水滴がビッシリ付いててキレイだったので撮りたかったけど、
なかなかピントが合わず。
コウゾリナの水滴を撮りたくて粘ってるうちに、
母の姿は見えなくなっていた。(;^ω^)
斜面には キンコウカ。
イワショウブ・・・だったかな?
ぽつんと咲いていた。
花がいっぱいになった頃に・・・
御浜に到着。
10時前、御浜小屋に到着。
小屋の前を通り過ぎ・・・
見えないと分かっていたけど、鳥海湖の方を見にいったら・・・
やっぱり な~んにも見えなかった。(;^ω^)
「笙ヶ岳まで行って景色を眺めたい」と言っていた母も、
「今日は ここまでで十分!」
とのこと。
風は強いし、せっかくなので御浜小屋に入って休憩することにした。
小屋で おにぎりと温かい味噌汁で早い昼食をとりながら、
母が山歩きしていた頃の話を聞いたりした。
「御浜小屋、新しく建て替えられたんだのぉ~。」
小屋の中をキョロキョロ見回しながら 母が言った。
母が泊まった頃って、50年も前だからねぇ。(;^ω^)
「あの頃は、バスで上がってきて、吹浦口から登ったかな~」
鉾立から登ったのは 初めてだそうだ。
のんびりゆっくりしたところで、
そろそろ下山することにした。
いちおう? 鳥海湖の方を覗きにいったけど、
このとおり。(;^ω^)
鳥海湖は 全く見えず。
鳥海湖の方から吹き上げる強風で、草も花も大きく揺れていた。
「この状況なら 諦めがつくよ」
「花も見たことだし、御浜まで来れたからいい。」
そうだね。
きっと、「また来てね!」ってことだよ。
鳥居の下辺りで しばし花を眺め・・・
11時頃、下山開始。
下りもガス。
石は濡れてはいなかったから よかった。
御浜と賽の河原の間、
登りは1時間くらいかったけど、
下りは 30分。
「下りは やっぱり速いのぉ~」
登りの半分の時間で賽の河原まできたけど、
ちょっとだけ休憩。
登りの時に目に入らなかった花たちが 目に入ったりもするからね。
「この辺りは、雪解け間もないんだのぉ」
下りに入っても、それほど足取りの様子は変わらない様子。
この調子で、ゆっくり慎重に下ろうね。
・・・③へ続く・・・