「ここから鳥海湖をまわって笙ヶ岳に行ったとしても まだ時間あるじゃん!」
・・・と思ったら、
このまま分岐から曲がって入ってしまうのが もったいなくなり・・・
もう少しだけ 先に進んでから戻ろう!
と、八丁坂へと登り始めた。
「この辺り、こんなふうに紅葉するんだぁ・・・」
「南側の空が 薄くピンク色になってるの、天気が崩れるからかなぁ・・・」
「千畳ヶ原の木道が見えるぞ」
な~んて思いながら のろのろ登っていると、
数名のグループの方たちが 後ろからやって来て
「 なんとか天気持ちそうですね!」
と言って 追い越していった。
それを聞いて「もう少しだけ進んでみようかな」という気持ちになり・・・
この辺りまで来た。
ふと見ると、山頂の方向に こんな雲が。
天気が下り坂の時って、オモシロイ雲が見えるなぁ・・・。
せっかく ここまで来たから、七五三掛まで行ってから戻ろう。
七五三掛からなら、山頂上空の雲が もう少し見えるはず。
・・・と七五三掛まで行ってみたら・・・
なんと、山頂付近に滝雲が流れているではないか!
思い切って 七五三掛まで来て良かった~。
だって、こんな雲が見られたんだもの。
そして・・・
七五三掛からは、
中島台の方へ、象潟の方へと広がる景色も素晴らしいのだ。
男鹿半島の寒風山も見える。
下に広がる紅葉を眺めたり・・・
南から来て山頂を越して北側へ流れていく雲を眺めたり・・・
絶え間なく変化し続ける雲を眺めたり・・・
山のヒダヒダに見る入ったり。
満足! \(^o^)/
・・・のはずだったけど、
「 千蛇谷に下る分岐辺りまで行けば、
あの滝雲が もう少しよく見えるはず!」
と、もう少し登ってみたくなってきた。
もう少し登ってみよう。
ホントは、こっちまで登ってくる予定じゃなかったんだけどな・・・。
今頃 あの笙ヶ岳に向かってるはずだったんだけどな・・・。
・・・なんて思いながら登ってるうちに、
千蛇谷と外輪への分岐に到着。
うわ~。やっぱり ここまで来て良かった~。
山頂付近の雲がよく見える~。
オモシロイ雲!
でも そのうち・・・
あの展望台まで行くと、もっとよく見えるはず!
・・・と思い始めた。
よし、あの展望台まで!
千蛇谷の方へ下り始めてすぐ、登って来た方が。
「山頂でご来光を観ようとしたんですけど、今日は見えませんでした。
代わりに、ものすごい『サンピラー』が見えましたよ。
だから、天気が崩れないうちにと さっさと下山してきました。」
・・・山頂でご来光を、ということは、
3時過ぎに 御浜小屋の前を通っていったのは この方だな。
訊いてみたら、やはりこの方だった。
「ラジオをつけながらだったから うるさかったでしょう。
すみません。」
・・・いやいや、すごいです。
真っ暗な中を 山頂目指して登るなんて。
鉾立スタートは 2時頃だったのかな?
スゴイ。(;^ω^)
「山頂は ガスガスで寒かったですよ。
これから山頂まで行くのは ちょっとキビシイかもしれませんね。」
「大丈夫です。そこの展望台までですから。」
と私。
「上の方、雲はすごかったですよ。面白かったです。」
と言って、大きなカメラを持ったその方は 通り過ぎて行った。
よし、展望台から 雲を眺めよう!
と、千蛇谷へ下る途中の展望台目指して 急坂を下った。
頭上を 次々に雲が通り過ぎていく。
日本海側を見ると、そっちにもオモシロイ雲。
何度も立ち止まって・・・
雲を眺めたり撮ったりしながら・・・
展望台に到着。
うわ~! 展望台まで来て良かった~!
まるで・・・
生き物みたいに・・・
雲が動いていた!
山肌を滑り下りたり・・・
渦を巻いたり・・・
鳥が羽ばたいていく時のように 湧き上がったり・・・。
そのうち、
「せっかく ここまで来たんだから、御室まで行ってみようか?
大きいザックを背負ってるけど、昨晩眠れたし、体調も悪くないし。」
と思い始めた。
千蛇谷の方を眺めて 迷ったけど・・・
山頂付近の雲、
御室まで行って 眺めてみたいよね?
ほら ほら、今日の雲、おもしろいよ。
と、頭の中で もう一人の私の声がした。(;^ω^)
う~む。
天気下り坂といっても、夕方までは なんとか持ちそうだし、
行ってみるか!
・・・と、御室を目指すことに。(;^ω^)
ここ、
いつも雪渓を渡っていたので、
大きなゴツゴツ・ゴロゴロ石を渡っていくのは 新鮮?な感じがした。
ああ、来ちゃったな~
と思いながら ふり返って見た。
あそこの雪渓も あんなに小さく。
時々 山頂の方は ガスで真っ白に。
でも、ここまで来たんだから、と登り続ける。
オモシロイ雲に惹かれて 登ってきてしまったのだけど、
心の中には、
小屋泊装備の重いザックを背負って歩くことに慣れたい気持ちも
あったのかもしれない。
7月末、縦走の練習も兼ねた装備で登ったら、
暑さもあったからか、かなりバテバテで、
「 自分の体力は ここまで落ちていたのか?!」
とショックを受け、縦走に対して不安が大きくなったのだった。
だから、不安を払拭したくて 小屋泊ザックで御室まで登ってみたかったのかも。
「山頂、マジ寒かったっすよ!」
と言いながら、半袖姿のお兄さんが下っていった。
7月末のバテバテの時とは違い、
まずまず元気に登ることができている。
竜門小屋1泊に行ったときも、こんな感じだったかな。
いつも まじまじと見入ってしまう 外輪のこの内壁。
その迫力の外輪内壁も、
草が黄色っぽくなって 秋の装い。
外輪は強風なんだろうな…と思っていたけど、歩いている人の姿が見える。
大丈夫そう。
伏拝岳の辺りにも 人の姿。
湯ノ台コースを登って来た人たちかな。
ふり返ってみると、御浜の方にもオモシロイ雲が。
雲の隙間に 御浜小屋が見える。
溶岩だ~という石が
ゴロゴロという。
ここまで来れば、もう少し。
結局ここまで来ちゃったな~(;^ω^)~
と思いながらふり返る。
ホントは、奥に見える あの笙ヶ岳に行って下山の予定だったんだけどな~。(;^ω^)
10時過ぎ 御室に到着。
今回は、新山には登らずに下山するつもり。
さて、
強風が予想される外輪山ではなく 千蛇谷を戻ろうか?
それとも 遠くの景色を眺めながら外輪山をくだろうか?
休憩しながら考えよう。
・・・⑦へ続く・・・