ずっと前から行きたいと思っていた障子ヶ岳。
徐々に登ってみたい気持ちが大きくなっていた。
( 5/27 摩耶山山頂からの障子ヶ岳 )
・・・でも、単独では行けないなぁ。
・・・誰か同行させていただける方は いないだろうか。
と思っていたら
先日 湯ノ沢岳に行った時、同行のTさんが
「Kさんたちが 障子ヶ岳に行くんだって」
と話していたことを思い出した。
さっそくTさんを通じて Kさんに同行させていただきたいことをお願いしたところ、
OKのお返事をいただいた。
「やった~! \(^o^)/」
でも、あれっ?
コースタイムが10時間を超える山なのに、
道の駅みかわ集合が6時。
・・・ってことは、登山口スタートは8時前?
コースや私の体力を考えると、朝5時か6時にはスタートしたいので、
「私から同行のお願いをしたのに図々しいかな・・・」と思いつつ
Kさんに 集合時刻を1時間早くしてほしいとお願いしてみた。
「じゃあ、5時に変更するときは また連絡しますね。」
しかし・・・
その後 集合時刻変更の連絡は無し・・・。
翌日、
「同行させて下さるのは
ウルトラトレイルランナー&ウルトラマラソンランナーの3人の方々」との情報が。
・・・が~ん! そうだったのか!
だから 登山口スタートが 8時前だったんだ! ( ゚Д゚)
「ワクワク」だった気持ちが、一気に「不安と緊張」に変わった。
・・・「写真を撮りながら のんびりゆっくり山歩き」ばかりだったこの2年間、
全くと言っていいほど走ってない。
ウルトラランナーのペースに付いてくなんてキビシイ。( ノД`)
・・・障子ヶ岳に行きたいけど、どうしよう!( ノД`)
情けないことに、
それから 夜 熟睡できない日が続いた。
さらに 不安な気持ちに追い打ちをかけるように、
天気予報は 良くない方へ。
雨の可能性があり、稜線の気温は5~7℃くらいと低いらしい。
・・・ますます、キビシイ! (T_T)
それから毎日、障子ヶ岳の地図や本・ブログ記事を見たり、
一日に何度も天気予報をチェックしたりしつつ、
不安は つのるばかり。
Kさんに 正直に不安を打ち明けると、
「今回コンディションがよくないようなので
行くか行かないかの判断は ご自分でなさって下さい」
とのこと。
・・・そうだよね。当然だよね。
前日の夕方、朝日連峰の方の空は こんな感じだった。
さあ、どうする?!
(判断を、ギリギリ前日の夜まで迷うことになった・・・。)
行くかどうかを迷っていたものの、準備はしておいた。
コースの様子を調べ、イメージしたり、
いつもの日帰り装備に 寒さ対策の装備をプラスしたり。
(ザックは 少し重くなったけど、仕方ない。)
独りになったとしても 歩けるように。
行動食を買いにコンビニへ。
以前 山登りしていたという方(前にも山の話を何度かした)がレジにいて、
「明日は どこかへ行くんですか?」
と訊かれ、
「はい。障子ヶ岳に!」
と答えてしまった私。(;^ω^)
( まだ決めてないじゃん。そんなにハッキリ言っちゃっていいの?)
夜。
予報に☂マークがいくつも登場。
今回は障子ヶ岳を諦める方へ気持ちが傾いた。
そして、
「都合の良い時に 秋田駒ヶ岳へいかがですか?」
と 以前 先輩Mさんから連絡いただいていたことを思い出し、
Mさんに連絡して 秋田駒ヶ岳に行こうかなぁ・・・などと思い始めた。
すると ちょうどその時、Mさんからメールが。
「秋田駒ヶ岳は 7月に入ってからの上旬がいいです。その頃にどうぞ。」
・・・うひゃ~! ビックリのタイミング!
これは やっぱり「障子ヶ岳に 思い切って行ってみろ」ということか?!
迷いに迷った末・・・Kさんに電話。
「明日、(障子ヶ岳に)行きます。よろしくお願いします。」
・・・うわ~。行くって言っちゃったよ~。(;^ω^)
結局この夜も 熟睡できないまま 当日の朝を迎えることになった。
朝 起きてみると、寝不足続きで 体調がイマイチ。
・・・ヤバい!でも、とにかく準備しなくちゃ!
・・・と思っていたところで
5時頃、ケイタイが鳴った。
あれ? Kさん?!
「あの~ 今どこですかぁ?」
「えっ?! 集合5時だったんですか?! ( ゚Д゚) 」
「・・プツン」
そこで電話が切れた。
( すっかり パニック状態に! )
・・・が~ん! なんということだ。
集合時刻の連絡の行き違い・勘違い!
準備は昨夜のうちにできてる。
「なんとか 15分くらい待っててほしい」とお願いするつもりで
折り返しKさんに電話したけど つながらない。
・・・きっと怒ちゃったんだ・・・。
2・3日前の行く行かないの決定のことで迷って ぐじゅぐじゅしてた上に、
当日になって今度は 集合時刻を間違えてしまったんだもの。
・・・Kさんたちは もう大井沢に向かったに違いない。
急いで行けば、乗り合わせ場所のゆったり館で追いつくかも。
とにかく急いで大井沢へ行くことにした。
( ああ、勝手な思い込み・・・。)
大井沢へ向かう途中も いろんなことを考えた。
・・・もう登山口へ向かってたとしたら・・・
天狗口に車を置いて 障子口の方から周回するだろうから、
私は林道終点まで車で向かえば 追いつくかも!
・・・もう登山口をスタートして 登り始めていたら・・・
Kさんたちとはペースがちがうから、
Kさんたちが 粟畑から天狗の方へ行って 休憩してから往復してくるまでに
何とか粟畑まで行けないだろうか。
ぐるぐる あれこれ考えながら運転してるうちに 大井沢へ入った。
6時過ぎ、もう少しで『ゆったり館』に着くというところで 再び電話が鳴った。
Kさんからだ!・・・ドキドキ・・・
「あの~ 今どこですかぁ?」
が~ん! そ、そんなぁ~。( ゚Д゚)
Kさんたちは、5時から6時過ぎの今まで
ずっと最初の集合場所で待っててくださったのか?!
( よく確かめもぜずに 大井沢へと向かってしまった自分を反省。)
「すみませ~んっ!
電話が切れて その後もつながらなかったので
怒って もう大井沢に向かったものと思い込んで、急いで来ちゃいました・・・。」
「怒ってなんかいないですよ~。(;^ω^)
じゃ、大井沢にいるんですね? 『ゆったり館』で待っててください。」
Kさんの口調は 穏やかだった。
・・・うわ~。もう 登る前から大変な迷惑をかけてしまった~。( ノД`)
自己嫌悪などのマイナスの気持ちが一気に押し寄せてきて、
緊張して 急にトイレに行きたくなった。
『ゆったり館』は まだ開いてないので、
近くの『山の家朝日』に行って トイレをお借りした。
ありがとうございました。
『ゆったり館』に着いてからも 落ち着かず、ウロウロ。
緊張して そのうちまた トイレに行きたくなった。
今度は『ゆったり館』の営業開始の7時になったので 中のトイレをお借りした。
・・・ ああ、なんていうことだ・・・。(´;ω;`)
全てが 良くない方へ動いてしまってるように感じる・・・。
・・・そういえば、
昨夜は、せっかく作ったカレーの鍋をひっくり返した夢を見たし・・・
今日は この後も 何か良くないことが起きちゃうんじゃないだろうか・・・。
気持ちが すっかり落ち込んでるところに Kさんたちが到着。
ドキドキしながら 急いで車をおりて
「すみませんでしたっ! <(_ _)>
電話がブチッと切れたので、怒って大井沢へ行ったのだと思って
急いで こっちへ来ちゃいました! 勝手にすみません。」
するとKさんは・・・
「怒ってなんかいませんよ~。(;^ω^)」
と、また穏やかな口調で言ってくださった。
電話は、切ったわけでなくて 調子が良くなくて切れてしまったのだとも。
ああ・・・。
勘違いに・・・思い込みに・・・自己嫌悪・・・・。
いろんなことが 重なりすぎて 頭の中がぐちゃぐちゃ状態。(ToT)
こんな精神状態で障子ヶ岳に登って、大丈夫だろうか?
でも とにかく行かなくちゃ!
よろしくお願いします、の挨拶をして、
ここからは Tさんの車に乗せていただいて登山口へ向かった。
障子口から半時計回りすることにして、
南俣沢出合の天狗口の方の駐車スペースに車を停めた。
車をおりて準備をするときに またまた「ガーン・・・( ゚Д゚)・・・」。
3人は 身軽なトレラン装備!
私は、いつもの登山装備に加え、天気予報を見て荷物を増やしてきたというのに。
・・・これじゃ、ますます 付いていけないじゃん! ( ノД`)
不安は ますます大きくなった。
「でも、ここまで来たら 行くしかないんだぞ!」 と自分に言い聞かせた。
あの橋を渡って左への方へ進み、30分ほど林道を歩くと 登山口だ。
Kさんが河原へ下りて行くのを見て
私も行ってみた。
私が ぐじゃぐじゃ落ち込もうと 不安でいっぱいになろうと、
水は 変わらず流れている。
・・・深呼吸・・・。
では、よろしくお願いします!
ウルトラトレイルランナーの青のKさんを先頭に、
ウルトラマラソンランナーの黄色のMさん、
そして ウルトラトレイルランナーの赤茶のTさん。
う~ん。3人の後ろ姿・雰囲気から オーラが感じられるなぁ。
不安でいっぱいな気持ちも寝不足の状態も 変わらないけど、
歩き始めてしまったから とにかく行くしかない。
いつもより重く感じられるザックを背負って 私も歩き出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
歩きだしてしまうと、
いつものように いろんなものが目に入ってくる。
あ・・・すでに遅れてる~。
林道からこの状態で、大丈夫?
( 大丈夫じゃなかった。(;^ω^) )
8:14 林道終点、障子口の登山口に到着。
「『生態系』の『タイ(態)』の字が 『クマ(熊)』しか見えねぇ(笑)。」
明るいMさんのつぶやきに、ちょっと心がほぐれた。
8:21 障子口をスタート。
湿っていて しっとりした空気。
草木の緑が鮮やかだった。
出合吹沢の渡渉地点。
脚の短い私は、この写真に写ってない もっと右側に足場を探して渡った。
沢を渡渉すると、すぐに急登の始まり。
む・・・ヤバい!
最初から ついていけない・・・。
この2年間ほとんど走ってないことと
ここ3・4日 不安と緊張から熟睡できなかったことが
自分の中の不安を大きくしていた。
普段とは違う 汗の量と息切れ。
このまま ついていこうとするのは無理だなぁ。
8:30
私を気遣って 私のペースに合わせて すぐ前を歩いて下さっていたTさんに、
ここから自分のペースで独りで登ることを伝えた。
・・・林道終点の登山口をスタートして わずか15分での脱落。
Tさんと話をし、
状況をみて、登ってきた道を途中で引き返すことも選択肢に入れることに。
(冷静なTさんのアドバイスに感謝。)
『ゆったり館』から登山口まで 車1台で来たんだもんね。
無事に下山して みなさんと一緒に帰れるようにすることが第一。
・・・単独で歩くことも覚悟して来たのだから、
私は私で 自分の車で登山口まで来れば良かったんだろうか・・・。
8:40
「 すみませんっ! <(_ _)> 」
心の中で Tさんの後ろ姿に叫ぶ私。
ペースを落としても 息切れする。
( 息切れして苦しいながらも、キョロキョロする私。)
次々に マイナスのことが頭の中に浮かんでくる。
・・・やっぱり、
ペースが明らかに違うとわかっているウルトラランナーの方たちに
同行のお願いなんて すべきじゃなかったんだろうか?
・・・この後 何かあったりしたら、
それこそ 3人に多大なご迷惑をおかけしてしまう。
( ウラジロヨウラク、たくさん咲いてた!)
・・・集合のことから始まって、
スタートするまでに すでに ご迷惑をおかけしたというのに・・・。
・・・ああ、なんてことだ。
・・・念願の障子ヶ岳に登るチャンスがやってきたと大喜びしていたのに・・・
( ツルリンドウかな?)
・・・まさか、こんな状況になろうとは。
( こういう道を歩くの、好きだなぁ・・・)
・・・いや、十分 予測できたことなのでなないか?
( 水滴がついた花、イキイキしてるなぁ。\(^o^)/)
( う~ん、イイ感じの道! )
・・・何かあったりしたら、
3人だけでなく、
Kさんに連絡をとってくれたTくんにも 申し訳ないではないか。
( 葉っぱについた水滴がキレイ。)
キツイ登りが続く中、
マイナスのことが 止まることなく頭に浮かんでくる。
( 体はキツイけど、
ガスならではのイキイキした植物たちの様子に 嬉しくなった。)
マイナスの思いにとらわれてると、
( 頭では マイナスのことを考えてしまうけど、
心は ウキウキ!? )
体の動きが悪くなるし・・・
周りの状況が見えづらくなって
冷静に物事を考えることが できなくなってしまう。
いかん、いかん。
こんな時は 深呼吸!
( 「山を歩いてる~」って感じの道、いいなぁ・・・」)
9:00
( \(^o^)/ )
マイナスのことを できるだけ考えないようにして・・・
( こんな所を 気を付けながら歩くのも いいな。)
できるだけ リラックスするようにして・・・
今 歩いていることに 集中しよう。
意識を、いつでも「自分の真ん中」において。
急登が続き、バテバテだけれど・・・
( イワカガミも あちらこちらに群生。)
足元の花たちや 木々たちが 励ましてくれるので、
目にとまるものがあるたびに
ちょっと立ち止まって 写真を撮り・・・
呼吸を整えながら 少しずつ登った。
実は、
障子ヶ岳のような道、好きなんだな。
しっかり整備されてる道より、「山を歩いてる」って感じがして。
9:13 幻想的!
( ランの仲間だろうか?)
ガスで 展望がない分、
歩く道に集中できる。
( そこらじゅうに サラサドウダン! )
9:23
( ヒメサユリ 登場! )
( 会えるのを 楽しみにしていたんだ!)
ガスだけだと思ったら、小雨が降り出した。
雨で濡れながら登っていって 稜線で寒かったら・・・キビシそうだな。
でも、雨は強くはならないようだ。
( こういうの、オモシロイ。)
木々の向こうに 雪渓が現れてきた。
( 写真では わかりづらいけど、この辺り 登山道の脇には カタクリが群生していた。天気が悪くて しぼんでいたけど。)
歩くことに集中するようにした。
すると そのうち
障子ヶ岳が ようやく受け入れてくれたような気がしてきた。
( こんな中を歩けるなんて 幸せだ~! \(^o^)/ )
9:42
独りで歩きだしてから 1時間。
3人の姿は当然見えないし、声も聞こえない。
・・・登って来た道を 今 戻っても、
3人が 周回して車の所に戻るまでには 時間があり過ぎる。
戻るか どうするか の判断は、
『紫ナデ』に着いた時の時刻をみてからにしよう。
・・・みなさん、心配してるだろうなぁ・・・。( ノД`)
稜線に上がれば 電話が通じるだろうか?
・・・とにかく、
しばらく このまま 進むしかない。
初めから脱落してしまい、どうしようかと 頭ではゴチャゴチャ考えながら進む。
その一方で、
人の手が入り過ぎていない道や
ガスならではの山の景色やイキイキした植物たちに
心はワクワク! \(^o^)/
こんな状況での山歩きは初めて。
私、どうなる?!
・・・②へ続く・・・