そうだよなぁ。
昼過ぎまで下山できるだろうと思っていたのに、
私が写真を撮りながらノロノロしていて、
登りだけで5時間もかかってしまったんだもんね。
でも、
その時にしか見ることのできない景色や花に出逢えたら、
やっぱり
立ち止まって 眺めたくなるよ。
ほら・・・
向こうに 日が差してるよ。
ふり返ると、
これまた 登りでは見えなかった景色。
「 先に行ってるから。」
と 下っていく母。
また 青空だ!
ふり返って見る。
登りの時は、山頂の方は こんなふうに見えなかったな。
何度も 何度も
空を見上げたり 歩いてきた方をふり返って見たり。
高い所をゆっくり動いてる雲。
その下で モクモクと形を変えている雲。
山肌を滑るように 流れていく雲。
東側の方も。
いかん、いかん。
進まなくては。
ずっと向こうを歩いている人の姿が見える風景、
やっぱり いいな。
またふり返って見る。
赤いリュックの人の目の前は 真っ白なガス。
東側を見たら、池塘が小さく点々と見えた。
大きな岩がゴロゴロしてる所。
岩と岩の隙間、ずうっと下に、キレイなスギゴケが。
実は、前々から気になっていた。
いろんな花たちが入り混じって咲いていて
とても賑やか!
ストックを使って歩くのに慣れてきたそう。
母に声をかけ、
後ろから 次々にやってくる人たちに道を譲りながら、
ゆっくり下った。
転んだりして怪我をしないように ゆっくり行こう。
「 石ゴロゴロの道、長いな~。」
と言いながら、
ちょこちょこ休みを挟んで歩き・・・
ようやく池塘が見えてきた。
「 やっと ここまで来たよ~」
あと一息。
油断せずに 足元に気をつけて行こう。
やっぱり、
こんなのを目にすると・・・
撮りたくなっちゃうよな~
なんて思いながら行くと、
母が立ち止まって 待っていた。
「 今、目の前を、
親鳥の後に3・4羽の子どもがついて 横切っていったんだよ!」
あの池塘に行ったってこと?
木道に出てから、左へ曲がり、
池塘を見ながら歩いていると・・・
いたっ!
親カモかな?
子どもの姿も発見!
ここにも。
あそこにも。
ここでカモの親子と会えるなんて、ラッキーだったな。
向こうから来た方たちが、
「 ここで カルガモが子育てしてるんだよね。」
と話しているのが聞こえた。
思わず、
「あ! その鳥たち、今 撮ってきました!」
今度は、
ここに青空が映っているところを見たいな。
トキソウが ちらほら。
ニッコウキスゲのオレンジ色、いいな。
「 ♪~♪~~♪~ ♪~♪~ 」
向こうへ続いているこの道、
以前は 歩いて行けたようだけど、
どこまで行くんだろう?
「 ♪~♪~♪ ♪~~♪~」
駐車場に出て 車のところまで 歩いているとき、
ノウゴウイチゴの実が いくつかあった。
食べてみたら、 甘酸っぱかった。
下りも 4時間かけて のんびりペースで歩き、
16:20 車の所に戻った。
休憩を何度も入れながら 9時間の山歩き!
朝たくさん車が停まっていた駐車場は、ガラガラ。
「 今日は 2回分の時間をかけて登ってきたよ~。」
「 花をたくさん見ることができてよかったな~。」
8合目からのクネクネ道を下りながら、
母の満足そうな様子に嬉しくなった。
翌日電話したら、
「 お前に合わせて ゆっくり歩いたら、疲れも筋肉痛も出てないよ。」
す、素晴らしい!
20代前半、職場の人たちに連れて行ってもらいながら
摩耶山・鳥海山・月山・朝日連峰・吾妻山・・・と
たくさん山歩きをしていたという母。
年に1度だけじゃなく、
登れる時に もっと登ろうよ。