朝の景色をのんびり眺めていたため、
荷物をまとめて小屋の外に出るのが6時頃に。
小屋を出て以東岳の方を見ると、
山頂からの道を 東京の方が下っているのが見えた。
「お~い! \(^o^)/」
と両手を振ったら、大きく手を振り返して下さった。
さあ、そろそろ私も出発しなくては。
あかねずみさんに挨拶し、小屋を出発。
少し登って振り返ると、
以東小屋に朝日が当たっていた。
あっという間だったけど、以東小屋での楽しい山時間を過ごすことができた。
あかねずみさん、ありがとうございました!
今度は ヒメサユリがたくさん咲いてる時期にも訪れてみたいな。
山頂のちょっと手前から 縦走路へ。
昨日は ガスがかかっていた主稜線。
今朝は 奥に尖がって見える大朝日岳まで スッキリ!\(^o^)/
山歩き1年目と2年目は、
大朝日岳と以東岳に それぞれ日帰りで登り、
「この主稜線をいつか歩いてみたいなぁ・・・」
と思いながら縦走路を眺めた。
3年目の昨年は、
ようやく小屋泊装備を揃えたけど・・・
休みと天気が合わずに 2泊3日の縦走はできず。
でも、
竜門小屋と以東小屋にそれぞれ1泊し、縦走に大きく近づいた気がした。
そして4年目の今年。
心身の状態からすると 今年縦走するのはキビシイかも、
と思っていた中で チャンスが訪れ・・・
目の前に 歩きたいと思っていた縦走路が続いている。
夢なのか現実なのか よく分からないような気持ちで
歩き出した。
少し下ったところから
さっきまでい以東小屋が見えた。
朝の光の中で、
周りのもの全てが キラキラして見える。
振り返ると、
まだ 以東岳の縦走路入り口の標柱が見えた。
後ろから歩いてくるのは 昨晩 以東小屋でご一緒した仙台の方。
そうそう、
写真には写っていないけど、
東京のHさんが「すぐ後ろから 行ってあげましょう」と言って、
私の後ろから歩いて下さっていた。
「私、写真をたくさん撮りながらノロノロ行くので、お先にどうぞ」
と言ったのだけど、
前日の私のバテバテな様子を見て心配してくださったのだった。
まだ眠ってる?ミヤマリンドウたち。
石に張り付いた オブジェのような枯れ枝。
どこのピークの影かな。
どんな形の山の影も キレイな二等辺三角形?になるから不思議だ。
方向を南にかえて下る。
ハクサンイチゲの花畑。
マツムシソウも一緒に。
どなた?
「あの道をいつか歩きたい」
と思いながら眺めていた風景の一つに近づいてきた。
チシマザサの中を行く細い道。
とうとう来たよ~。
これから私も、あの人のように歩いて行く。
振り返って見る。
以東岳が 少しずつ少しずつ小さくなっていく。
・・・何だか・・・
走りたくなってきた~!\(^o^)/
「わ~い!」
・・・ダダダダダ・・・
思わず大声を出しながら 走り出してしまった~。\(^o^)/
( この後 暑くなってキツくなることが分かってるのに・・・。(;^ω^) )
「クルマユリですね~」
というHさんの声に 立ち止まった。
気持ちよく走ってて 気づかなかったよ。(;^ω^)
いかん いかん。
今から 走ったりしちゃ。
2日目は 大朝日小屋までだよ。
コースタイムで7時間半くらい。
また暑くなるだろうから・・・休憩したり何度も立ち止まったりして
たぶん また9時間くらい歩くんだよ。
と 思ったけど・・・
こんな所に来たら、またまた 思わず・・・
「うわ~い! \(^o^)/」
・・・ダダダダダ・・・
結局 また走っちゃったよ~! \(^o^)/
「走って気持ちよかった~」
と思いながら 振り返った景色を眺めた。
「一定のペースで歩く」とか
「ペースを考えて歩く」とか
苦手なんだよね。(;^ω^)
走りたくなったら 走り、
バテたら ゆっくり歩き、
立ち止まりたいところで 立ち止まる。
そんな自分の歩き方は、
子どもみたいだなぁ~と思う。(;^ω^
・・・ま、いっか。( ´艸`)
気持ちよく走ったところを振り返って見る。
朝日を浴びてイキイキしている足元の花たちを
ワクワクしながら眺めたり・・・
歩いてきた景色を振り返っては
憧れていた縦走路を歩いていることを確かめたり。
実際に歩いたからこそ見える景色に感激したり。
遠くまで続く山並みの
緑から青へのグラデーションに見とれたり。
池塘があったよ。
7:47
Hさんによると、
この辺りまでは ほぼコースタイム通りだそう。
この辺りまでは・・・。
徐々に・・・気温が上がってきて・・・
徐々に・・・キツくなってきた。
「狐穴小屋が 見えてきたね。」
と言われて、一つ向こうのピークの手前の斜面をよく見たら、
狐穴小屋が見えた! \(^o^)/
右側の山の斜面に 湿原らしきところが見える。
少し大きく見えるようになった狐穴小屋。
あそこまでは、
ここを下って あそこを登って・・・。
元気なら「ヒャッホ~!\(^o^)/」と言いそうな道のりも、
暑くてバテ気味になってきて、
「うわ・・・(;´Д`)」な気持ちに。
下ったところで 振り返って見る。
ザラザラ・ゴロゴロな坂、
気を付けて下って来た。
朝 出発してきた以東岳が
少しずつ遠くなっていく。
足元の石が 目にとまる。
小さな粒が固まったような石が その辺にたくさん。
狐穴小屋の手前には
キンコウカやチングルマ、ヒナザクラが いっぱい咲いていた。
少し前まで雪渓が残ってたみたい。
着いたよ~。\(^o^)/
8:28 狐穴小屋に到着。\(^o^)/
中をのぞいてみた。
おお~!
ここにも いつか泊まってみよう!
「狐穴小屋、いいよ~」
と、いろんな方から聞いた。
風になびく『冷えてます』の文字。
空き缶を切り取って貼ってある素敵な看板。( ´艸`)
ぷは~っ!
朝 出発してきた以東岳をバックに パチリ。
もう1本飲みたいところだったぜ。
いや、
もうすでにビールを飲みたい気持ちだったのだけど、
ビールを飲むのは 今日の宿泊地の大朝日小屋に着いてからにしよう!
と思って我慢した。
( 大朝日小屋では 飲み物の販売をしていないこと、知らなかった・・・)
小屋の向こう側の景色。
『日本百名山』で朝日連峰縦走の様子を放送していた中に、
狐穴小屋で迎えた朝、向こうの山々を流れる滝雲を眺める場面があった。
いつか私も ここに泊まってみよう。
縦走路を下ってくる人たちの小さな姿が見えてきた。
そろそろ歩きださなくては。
8:48 狐穴小屋を出発。
いつか泊まりに来るよ~!\(^o^)/
次に目指すのは、
右奥に見える北寒江山。
9:05 三方境
天狗角力取山・障子ヶ岳への道。
昨年 障子ヶ岳に行った時は ガスガスで辺りが真っ白だったから
そのうち行かなくちゃ。
バテてきたから、こんな登りを前にすると
「うひゃ~・・・(;´Д`) 」
って気持ちになる。
それでも進むしかないから、
足元の可愛い花たちを眺めたり
遠くの景色を眺めたりしながら
一歩一歩行くよ。
一歩ずつでも進んでいくと・・・
ほら!\(^o^)/
9:17 北寒江山に到着。
以東岳を振り返る。
おお~っ。ここまで歩いてきたぞ~。
相模山の方も 景色が良さそう!\(^o^)/
いつか歩いて行ってみよう!
( 「いつか行ってみよう!」な場所が どんどん増えていく・・・」
次は あの寒江山だぞ。
昨年は、竜門小屋に泊まって あの寒江山まで散歩に来たんだ。
ヒナウスユキソウの大群落を眺めながら。
( ずっと奥に 小さく大朝日岳の尖がりが見えてきた。)
ぎゃぎゃ~っ!
でも、進むしかないんだぞ。
以東岳を先に出発したAさんの姿が小さく見える。
「ここを登ると・・・\(^o^)/」
・・・・・
「あれ? まだ先に別のピークがあった~(;´Д`) 」
・・・の繰り返し。
気持ちが疲れてる時って、こんな感じなんだよね。(;^ω^)
ちょこちょこ水分補給しながら・・・
ちょこちょこ立ち止まって辺りの景色を眺めながら・・・
一歩ずつ・・・一歩ずつ・・・。
9:50 寒江山に到着~。\(^o^)/
・・・と、あれれ?
振り返った以東岳の方に ガスがかかり出した。
夕方 大朝日小屋から 以東岳が見えるといいな。
さあ、次に目指すのは
昨年泊まった竜門小屋だよ。
先を行くAさんの姿が 小さく小さく見える。
いつも思うけど、
風景の中に人の姿があると、
その風景が全く違ったものに見えてくるから不思議だ。
私も今、
雄大な景色の中の一部になっているんだな・・・。(*´ω`*)
こんなに たくさん
ハクサンイチゲが咲いてるとは 思ってなかったなぁ。
花を見ると一瞬元気になるけど・・・
これから行く登り坂を見て ぎょぎょ~っとなる。
その繰り返し。
水を飲んでも飲んでも
すぐ口の中が乾く。
10:10 南寒江山。
ここから竜門小屋まで、
まだ1時間以上かかるはず。(;^ω^)
「うわ~ スゴ~イ! \(^o^)/」
と景色に感激するものの・・・
今日の目標地・大朝日岳が まだまだ ずっと向こう(雲の中)であることに
がっくりする。
それでも・・・
行く先の道に 先を行く人の姿があると
ちょっと元気になれる。
3人のグループとすれ違った。
あの方たちも けっこうバテてた感じ。
暑さでバテてるのは私だけじゃないんだな。
ヨツバヒヨドリにとまって蜜を吸ってたチョウ。
もっと大きく撮りたかったけど。
こちらのアゲハは
ひらひら飛んでて なかなかとまってはくれず。
・・・うじゃうじゃ飛んでるトンボ。
・・・昨日 何匹も ぴょんぴょこ登山道に出てきたカエル。
・・・私を警戒してテリトリーから出るまで付いてきたハチ。
・・・花から花へと飛んでいくチョウ。
などなど、
たくさんの生き物たちも いるのだということを あらためて感じていた。
ああ、あの雪渓の上の道を歩いて向こう側に出ると、
たしか 竜門小屋が見えるんじゃなかったっけ?
右側が切れ落ちてるのは 何でもないけど、
こんなふうに左側が切れ落ちた斜面を歩くのは
感覚的に苦手なんだよなぁ。(;^ω^)
その左側斜面を見下ろすと、
コバイケイソウの花が咲いていた。
やった~! 竜門小屋が見えた~! \(^o^)/
ここを登ると もうすぐだぞ。
振り返って見る。
小屋の方を見ると、
小屋の前に 何人かの姿が見えた。
ベンチで食事してる人たちと・・・
管理人のIさんの姿も。
「こんにちは~!」
「さっき縦走して行った人?」
「いいえ、昨年の慰霊登山の時にお世話になった者です」
「あ~・・・」
と覚えていて下さった。(すごいな)
11:05 竜門小屋に到着~!
「暑くてバテバテになりました~」
とIさんに言うと、
「今日来た人は みんなバテてたよ」
とのこと。
・・・そうなのかな。私だけじゃないのかなぁ。・・・
冷たい水、出てま~す!
冷たい飲み物、ありま~す!
水を補充させていただいた。
バケツに中でキンキンに冷えてる缶ビールに目がとまったけど、我慢。
大朝日小屋で飲むんだもんね。
寒江三山の方を眺める。
そのずっと奥の以東岳はガスの中。雪渓残る斜面がうっすら見えるのみ。
小屋の前に張られたロープには 毛布やタオルなどが干してあって
心地よい風に吹かれていた。
その隙間に
私のアームカバーと手ぬぐいをかけさせていただいた。<(_ _)>
小屋の前に並べられた石に座って昼食休憩。
Hさんから いただいたコーヒーも飲んで、元気回復?
出発前に 小屋のトイレをお借りすることに。
Iさんに断ると、
「ど~ぞ、ど~ぞ。思いっきりやってちょ~だい!」
とのこと。
・・・笑ってしまった。( ´艸`)
11:45 Iさんに挨拶して 竜門小屋を出発。
さあ、ここから竜門山までが ちょっとしたキツイ登りなんだよね。(;^ω^)
この花。
咲いてるところも可愛いけど・・・
下に落ちてるところも可愛い。
石の周りにぐるっと。
もう色づき始めてる?
12:04 竜門山の分岐に到着。
今日の行程の残り1/3だな。
がんばろう。
次に目指すのは 向こうに見える西朝日岳。
そこへ向かう尾根道。
こういう尾根道、ホントは大好きなんだけど、
バテてるので やっぱりキツイ。
振り返ると 向こうに竜門小屋が小さく見える。
ちょっとした登りを見ても
「ゲゲッ・・・(;´Д`)」
と思ってしまう。
何度も竜門小屋のほうを振り返る。
13:13 やっとのことで西朝日岳に到着。
その先の中岳へと続く道を見て・・・
ガ~ン! (@_@)
こんなに下るの?
こんなに下って あんなに登り返すの?
「ここまで来たら、15時頃までには着くから 大丈夫だよ」
とHさんは言って下さったけど、
この景色を前に かなり気持ちが萎えた。(;´Д`)
でも・・・ほら。
大朝日小屋が見えてるぞ。
ガスで全然見えなくなると思ってた大朝日岳も見えるぞ。
ここまで来たんだもの。
あと少し、ガンバろう。
13:28 15分ほどの休憩の後、西朝日岳を出発。
湧いてくるガスで
尾根の東側は真っ白。
振り返って見る。
少しずつだけど、進んでる。(;^ω^)
またふり返って見る。
バテバテだけど、進んでるよ。
目の前にそそり立つように見えた中岳。
その山頂まで どんなに大変なんだろうと覚悟していたんだけど、
道は・・・
山頂を通らずに 東側斜面をトラバースしていた。
それだけでも 気持ちがずいぶん楽だった。
そして・・・
おお~
ついに ここまで来たよ~。(´;ω;`)
大朝日小屋が あそこに見えるし・・・
水場でる金玉水に下る道も すぐあそこに。
14:38 金玉水への下り口に到着。
情けないことに・・・
私は水を汲みに下る元気がなく、
「3L汲んでくるから、使っていいよ~。
ここで休んでて~」
と言ってくださったHさんの言葉に甘えて、
ザックを下ろして しばらくグッタリしていた。
暑くて 思ってた以上に水が減ってしまっていた。
・・・自分の水を自分で汲まないなんて、ダメじゃん!
・・・小屋についてザックを下ろして
しばらく休んでから汲みに来ればいいじゃん!
頭の中で もう一人の自分がワーワー言ってきたけど・・・
今回は、Hさんにご厚意に甘えて 水をいただくことにした。<(_ _)>
自分で使う水を自分で汲みにいかないことが
すごく悪いことのように感じられる。
情けない・・・
申し訳ない・・・
もうしわけありません、Hさん。
本当にありがとうございます。
15:15 以東小屋を出発して9時間くらいかかって
ようやく大朝日小屋に到着。
1日目に続き、2日目も 暑さでバテバテになってしまった。
小屋の前では、私よりずっと年上の方たちが 楽しそうに談笑中。
自分の体力が激落ちしてしまったのか?!
そんなことを思って ガッカリ。
でも、
まずは、以東岳からの主稜線を歩いてくることができて、ホッとした。
よかった、よかった・・・。(´;ω;`)
管理人さんに挨拶して さっそく訊ねた。
「あの~ 缶ビールありますか?」
「ここじゃ 飲み物なんか売ってられないんだよ。
大勢 泊まり客があったら、その対応に追われて
そんな余裕無くなるもの」
・・・ガ~ン! ( ゚Д゚)・・・
・・・⑦へ続く・・・