「ザッ・・・ザッ・・・」
足早に小屋の前を歩いて行く足音で目が覚めた。
時間を見ると午前3時過ぎ。
山頂で日の出を見ようと登っていった人かな・・・
と思いながらウトウト。
次に目が覚めたのは5時頃。
もう空の色が変わり始めてる時間じゃないか!
もう少し早く起きて、空の色が変わっていくのを眺めたかったなぁ・・・
と思ったけど しかたない。( ノД`)
先に起きていたYさんが淹れて下さったコーヒーをいただき、
朝の景色を眺めに行く準備をした。
靴を履き、小屋の出入り口から外を見ると・・・
昨日ガスで見えなかった稲倉岳のシルエットがハッキリ。
その向こうには象潟の方と日本海。
そして
うっすら朝焼けの空。
やった! 今日はキレイな空が見えそうだ!
小屋の出てすぐの景色。
雲海の向こうに顔を出しているのは・・・
左が秋田駒ヶ岳、右が岩手山だと 教えていただいた。
山頂の方。
時間とともに 空の色が どんどん変化していくので、
あっちを見たり こっちを見たり。
トレラン装備の男性が 山頂の方へ駆けていった。
月山も見える!
鍋森。遠くに月山。
私が のろのろしている間に、
Yさんは もうあんな所に。( ´艸`)
( 小さくて 姿が分かりづらいけど・・・)
ふり返ると、
稲倉岳に朝日が当たり始めたところだった。
日本海に目を移すと・・・
ん?
島じゃないし・・・もしかして あれは・・・『影鳥海』?
やっぱり『影鳥海』だ。
感激! \(^o^)/
季節で 日の出の位置も変わるから、
『影鳥海』の様子も変わっていくんだよな~。
この時期は こんなふうに見えるのかぁ。
幻想的な色の月山。
朝日が当たり始めた月山森。
その向こうに見えるのは 葉山だろうか?
Yさんに 影鳥海のことを知らせようと思ったら・・・
まだ あの場所に。
Yさんのお気に入りの撮影ポイントなのかもしれない。( ´艸`)
南側から雲がやって来た。
『ダイヤモンド鳥海』は 残念ながら見ることができないかな。(;^ω^)
知らせに行くつもりが
あちらこちらで 立ち止まってばかりで なかなか進まない。
空・景色が どんどん変化していくので、
どうしても 立ち止まって眺めてしまう。
「 Yさ~ん! 日本海に影鳥海見えてますよ~!」
でも、Yさんに そう言ってから気がついた。
Yさんは、こういう影鳥海をもう何度も何度も見ているんだろうな・・・と。
鳥海湖に 空が映っていた。
朝日連峰が 見えるじゃないか。
私は 今回行くのをやめたけど、天気はどうだったのかなぁ。
新山の方が明るくなってきた。
光芒が見えてきたから、そろそろ太陽が見えてくるころか?
西側を見ると、
こちらにも 光芒のようなのが見えた。
そして・・・
あの 雲が光っているのは・・・
飛島の上に浮かんでる雲。
海面に、長い雲の 長い影が 映ってる。
むむっ、『ダイヤモンド鳥海』来るか?!
・・・と期待したけど、
やはり 見えず。(;^ω^)
私が気になったのは こちら。
雲に伸びてくる朝日の光芒が見えたり・・・
海面に雲が映っていたり。
だんだん辺りが明るくなってきたので、
いったん小屋に戻ることにした。
鳥海湖に映っているのは どの雲なんだろう?
と 鳥海湖の上を見たけど、
どの雲なのか わからなかった。
まだ咲いててくれたハクサンイチゲ。
御浜小屋に戻る頃には、
秋田駒ヶ岳・岩手山の方の空の色は やさしい色合いに変わっていた。
小屋の近くに 2人の女性がいた。
昨日、長坂道から鳥海湖の方へ下っていった方たちだった。
昨日は 吹浦コースから鳥海湖へ行ってきて大平山荘に宿泊。
今日は 山頂まで行ってくるという。
小屋に戻って朝食。
その後、
「私は用事があるので これで下山するけど、
せっかくだから 笙ヶ岳までのんびり歩いてから下山したら?」
と言って、Yさんは下山していった。
そうしよう!
前回笙ヶ岳に行ったときは ガスで何も見えなかったから、
今日は 笙ヶ岳一峰からの景色をのんびり楽しんでから下山しよう。
笙ヶ岳からは、御浜に戻らず、池塘のそばを通って賽の河原の方へ出て
そのまま下山しようと思い、
大きなザックを背負って 御浜小屋を出た。
天気は下り坂。
笙ヶ岳で のんびり景色を楽しんだら、
天気が崩れる前に下山しよう。
でも・・・
まだ朝の早い時間。
笙ヶ岳まで ゆっくり歩いて 一峰からの景色をのんびり楽しんだとしても
昼前には 鉾立に着いてしまう。
せっかくなので、
御田ヶ原分岐から鳥海湖の方へまわってから笙ヶ岳に行こうか。
・・・と、
7時過ぎ、御田ヶ原の方へ向かって歩き出した。
朝の光の中の景色を眺めることができて嬉しくて・・・
やはり のんびりゆっくり歩きに。
朝日の当たった月山森。
御浜小屋の方をふり返ると、登山者が 次々とやってくるのが見えた。
鉾立を5時過ぎに出発してきたんだろうな。
立ち止まりながら ゆっくり歩く私を、
登山者たちが 追い越していく。
みなさん、おそらく山頂まで行く方たちだけど、
私は 鳥海湖をまわって 笙ヶ岳に行って 下山だから、
ゆっくりでいいんだ。( ´艸`)
あの鳥海湖のそばの木道を歩いて・・・
長坂道に上がって・・・
向こうの笙ヶ岳まで。
今日は、一峰から庄内平野を一望できるぞ。
見下ろせば 万助小舎も見えるはず。
これから咲こうとしているハクサンイチゲも。
オブジェのよう。
ついつい撮ってしまう ハクサンシャジンの種さや。
う~ん。なんて贅沢な時間。( ´艸`)
こんなふうに陽の当たった千畳ヶ原、
Yさんからも見ていただきたかったなぁ。
後ろから賑やかにおしゃべりしながら来た3人組。
「やっべ~。キレイすぎる!」
と男性の方。
2人の女性のうちの一人、この方と ちょっとお話。
「私、出身は滋賀なんですけど、今は神奈川に住んでて。
前から 夜行バスに乗って 月山とかに来てたんですよ。」
帽子もウェアもザックも青。
私と同じように 青が好きなんだな。( ´艸`)
若者3人組が歩いて行った後、
さらにまた一人、歩いて行った。
北側の景色も眺めてみる。
うわ~!
そして また こっち。
黄金色に色づいた庄内平野。
これは、コメバツガザクラの実だろうか?
あ、あの青の方がいた。( ´艸`)
そうそう、私も あります。
同行者から ついつい遅れてしまうので、
「撮って、走って・・・撮って、急いで歩いて・・・」の繰り返し。( ´艸`)
御田ヶ原分岐に到着。
ふり返ると 次々にやってくる登山者の姿が見えた。
さあ、ここから私は 鳥海湖の方へ。
・・・のはずだったが?!
・・・⑥へ続く・・・