6/16の障子ヶ岳からの帰り道、
「次は 竜門山にも行ってみたい!」と思った。
障子ヶ岳を歩いて「朝日連峰の山って やっぱりいいなぁ~」と感じたし、
6/10に月山方面へ行った帰りに 日暮沢の登山口まで行ってみたこともあり、
近いうちに行ってみたい気持ちになっていたのだ。
( 6月10日 撮影 )
でも、
単独で行くのは やはり心細いし・・・
かと言って 同行者も見つからない・・・
どうしようか迷ううちに 日が過ぎていった。
迷っている間にも、
ヤマレコには 竜門山~寒江山辺りのヒナウスユキソウが見頃である記事が
続々アップされる。
その記事を見ながら ますます行きたい気持ちが大きくなっていった。
木曜日の朝、ふと思った。
「そっか、花の時期だから、誰かしら登る人がいるはず。
単独でも 行けるかもしれない」
そして さらに思った。
「せっかくなら、思い切って 小屋泊してみようか!」
珍しく 次の土日は家族の予定もなく、小屋泊が可能な状況だった。
天気予報も良さそう。
・・・このチャンスを逃さずに チャレンジしてみようか?
という気持ちが湧いてきた。
勤務終了後、
さっそく 小屋泊するのに足りないものを買いに行った私。
不安が大きくて まだ単独で行く決断ができないのに、
小屋泊の準備を始めた。(;^ω^)
翌日の金曜日、
用足しに行って駐車場に車を停めた時のこと。
ふと隣りの車のナンバーが目に入った。
『・555』
反対となりの車のナンバーを見ると、なんとそちらも
『・555』
・・・うわっ! これって、もしかして・・・
「竜門山に『GO! GO! GO!」ってこと?!
単なる偶然なんだろうけど、こんな偶然なかなか無いんじゃないの? ( ´艸`)
天気も良さそうだし・・・
家族からのOKも出た。
行けない理由があるとしたら、自分の中の不安だけ。(;^ω^)
金曜日の夜、小屋泊での竜門山行きの荷物の準備ができた。
それなのに、
まだ不安が大きくて、決断できなかった。
ついには
「やっぱり1泊はやめて、日帰りにしようかな。
いや、日帰りでも 独りで行くのは不安だから、
竜門山はやめて 鳥海山か月山にしようかなぁ・・・」と思い始め、
その日は そこで眠りについた。
土曜日の朝。
どうしようか迷って決断できずにノロノロして時間が経ち、
「早出して 日帰りでの竜門山行き」の選択が まず消えた。
残ったのは、
思い切って『竜門小屋泊』にチャレンジするか、
今回は竜門山をやめて 鳥海山か月山に花を観に行くか。
私が選んだのは・・・
「竜門小屋に1泊」! \(^o^)/
もちろん不安は大きいけど、
今の時期の土日なら
日暮沢から登る人はいるだろうし、竜門小屋に泊る人もいるだろう・・・と。
朝6時過ぎ、自宅を出発。
薄く雲がかかってるけど、鳥海山も見えてる。
大井沢まで来たら
奥に、1週間前に歩いたばかりの障子ヶ岳が見えた。
(う~ん。次回は ガスの無い時に登りたいぜ。(;^ω^) )
根子から右折。
登山口を目指して 林道を進んだ。
何か所か掘れたところがあり、そこでは慎重に進んだ。
日暮沢に着くと・・・
なんと 小屋の前の駐車スペースは満車! ( ゚Д゚)
林道に縦列駐車している車や 日暮沢手前のスペースに停めている車も。
私も、日暮沢手前の小さなスペースに停めた。
「誰かは 登っているだろう」どころか、
たくさんの人が登っているようで びっくり。
準備をして 日暮沢小屋の方へ。
小屋の中にあるトイレをお借りして 外に出ると・・・
昨夜 小屋に泊ったという方が ちょうど2階から下りてきて 私に言った。
「 独り?
熊がいるってよ。3頭。
親子の熊もいるっていうから 気を付けたほうがいいよ。」
・・・お、親子?! ヤバいじゃないですか! ( ゚Д゚)
でも、私より少し先にスタートした方がいたので、なんとなく心強い。
8:10頃 日暮沢登山口をスタート。
今まで 亡き父が山菜採りの時に使っていたという熊鈴をつけていたけれど、
今回 小ぶりで音が響きそうなのを買って付けてきた。
でも、実際山に来たら 音が予想より小さい。(;^ω^)
「今は静かだからいいけど、
これで風が吹いてたり 沢の近くで水音がしたり・・・だったら
鈴の音は聞こえないじゃん。(;^ω^)」
熊情報を聞いてからスタートしてきて不安になっていたので、
やっぱり歌いながら登ることにした。
「♪ さ~んがの す~が~た♬ うる~わ~し~く~~~♬・・・」
・・・どうか熊に遭遇しませんように!
( 山歩き1年目で すでに遭遇してしまったので、
熊との遭遇に対する不安は大きい・・・。)
ここから 本格的な山道に入るのかな・・・。
いよいよだよ!
噂通り? すぐに急登。
でも、素敵な道! \(^o^)/
木の根の道が続く。
熊に遭遇したら怖いなぁ・・・という不安はあるけれど、
こんな道を歩けるワクワク感の方が 断然大きい! \(^o^)/
ふり返って見る。
うわ!
こんちは!
木々の間から見える景色からも
どんどん標高が上がっていくのがわかる。
辺りは、ハルゼミ?の鳴き声のシャワー。
ドキドキ・ワクワクしながら・・・
前を見たり・・・
足元を見たり・・・
上を見たり・・・
立ち止まって しゃがんで じっくり眺めたり・・・
辺りの音に耳を澄ませたり・・・
足裏から体全体に伝わる感覚を味わったり・・・
こんなふうに登っている時は
急登でもあまりキツさを感じずに登れてしまう。( ´艸`)
・・・っていうか、
しょっちゅう立ち止まって しょっちゅう休んでるものね。
!!!!! ( ゚Д゚)
でも、ずいぶん前の跡のよう。
しばらく登っていくと、前に グループで登っている方たちが。
その方たちから 今夜どこに泊まるのか訊かれ、
竜門小屋だと答えると・・・
「今日は竜門小屋でイベントがあって 30人くらい泊まることになってるし、
管理人のIさんも それで忙しくて なかなか一般客に対応できないだろうから
狐穴小屋まで行った方がいいかもよ」
と言う。
え~っ?! 狐穴小屋は全く予定してなかったけど、どうしようかな・・・
と思いながら その方たちを追い越して 登った。
今度は 二人の方が。
「ゆっくり登るので、お先にどうぞ」
と言われ、
「私も 写真を撮りながら ノロノロペースなんです。(;^ω^)」
と答えたけど・・・
いつの間にか その方たちより先を歩いていた。
おおっ!
木々の間から 朝日連峰の山々が見えてきたぞ!
見えてるのは どの辺りだろう?
振り返った時 月山が見えるようになった。
ザックに花を入れて登っている方が前にいた。
「今日は 慰霊登山なんです。」
・・・思い出した。
昨年 竜門小屋の管理人をされていた方がお亡くなりになったのだった・・・。
グループの方たちは、その方の慰霊登山で登っているのだ。
・・・慰霊登山・慰霊祭が行われる時に竜門小屋に泊まるのは どうなんだろう?
・・・時間はあるから 狐穴小屋まで行こうか。
でも、
私以外にも 一般客は来るはずだから、
竜門小屋に泊まっても 大丈夫かもしれないしなぁ。
さらに進むと、また慰霊登山の方たちが。
また どこに泊まるの訊かれ、竜門小屋だと答えると、
「竜門小屋は 今日は混むよ~。」
と言われる。
う~ん。どうしようか。
自分の中には 今回は 狐穴小屋の選択肢はなかったから、
急に変更するのは どうかなぁ・・・。
グループの中のお一人が、
「今の管理人のIさんも 今 この前を歩いてるよ。」
と言う。
おっ! Iさんが?
Iさんのことはテレビの中で知り、
いつかお会い出来たらいいなぁ・・・と思っていたので、
今日お会いできそうだと知って 嬉しくなった。
Iさんを 初めてテレビで拝見したのは、
芸能人の方を案内して鳥海山を1泊で案内した番組の中。
それから、
『にっぽん百名山』で 紅葉の朝日連峰縦走のガイドをされていた時の番組の中。
録画して すでに何度も観ている。
初めて登る竜門山でIさんにお会いできるなんて ラッキーだな! \(^o^)/
と思いながら さらにワクワクしながら登る。
しばらく こんな道が続くところも。
9:41 ちょっと広くなったスペースあり。
右奥に続く道を少し下ると『ゴロビツの水場』があるみたい。
水場には行かず、このまま進む。
ほんのりピンク色のミヤマカタバミ。
リュウキンカの群生。
さらに進むと、
また慰霊登山のグループの方たちが。
亡くなられた前管理人のEさん、
そのお人柄で 登山者に慕われた方だと書いてあったなぁ・・・。
「あの景色・あの花に会いに あの山に登る」
っていうのがあるように、
「あの人に会いたくて 山に登る」
っていう山登りも ある。
「会いたい誰かがいる」「会いたい・観たい何かがある」って、
とっても元気が出ることだし、幸せなことだよなぁ・・・。
だから私は 幸せなんだ。
登りたい山も 観たい景色や花も たくさんあるもの。( ´艸`)
「お~い! 山にばっかり ほろけてんじゃね~ぞ!」
と 旦那から言われるけど。(;^ω^)
目の前にやってくるチャンスに乗っかって?
一つ、一つ、山に登っていくと、
「いつか登ってみたい」
と思っていた山にも 登ることができるようになったりする。
山歩きを始めてからの この2年半は、その繰り返しだったなぁ。
初めは、地元の人たちが毎日の散歩のように登る高館山にさえ
独りで行けなかったからなぁ・・・。
人生の半分を過ぎてから始めた山歩きだけど、
まだまだ 歩いてみたい山が たくさんあるぞ。
障子ヶ岳の道も好きだったけど、
日暮沢から竜門山までの道も好きだなぁ。
障子ヶ岳で同行させていただいたウルトラトレイルランナーの方たちも、
この道、きっと喜ぶと思うなぁ。( ´艸`)。
あの方たちなら、日帰りで以東岳まで往復しちゃうんだろうな・・・。
いや、もっとかな。
いろんな色・いろんな色の濃さの
サラサドウダンやウラジロヨウラクが 咲き乱れる。
足元には たくさんのアカモノ。
赤い実がなる頃も きれいだろうな。
ふわりふわり花びらが飛んでいきそうなタムシバが
そこここに。
タケシマランの花、みっけ! \(^o^)/
サンカヨウも・・・
エンレイソウも・・・
こんにちは!
ツルリンドウの実。
今頃 実が赤くなるんだっけ? ( ゚Д゚)
振り返ると、
ボコボコ・・・となった葉山も 見えてきた。
遠くの景色が見えるようになったので、
少し登っては ふり返って見る・・・の繰り返しに。
雪渓が解けて 水が流れているところあり。
写真右奥は月山。
真ん中より左側の奥に うっすらチョコンと鳥海山の頭が見えた!
(写真では わかりづらいけど・・・見えるかな?)
もう少し登ると・・・
大きな雪渓あり。
雪の急斜面を登っ所で休憩中の方たちの中に
なんと Iさんのお顔があったではないか!
「Iさんだ~! \(^o^)/ 」
と思わず叫んでしまった私。
「どこまで行くの?」
とIさんに訊かれ、
「竜門小屋です。
でも、今日は混むって聞いて、狐穴まで行こうかどうか迷ってます。」
と答えた私に、Iさんは、
「竜門に泊まっていきなよ。
今日は たくさん泊まる人がいてギュウギュウかもしれないけど、
なんとかなるでしょ。
熊鍋をごちそうするから!」
とおっしゃった。
くっ・・・熊鍋~!? ( ゚Д゚)
熊鍋に興味津々の私。
熊鍋なんて めったに食べられるものじゃないし、
Iさんが大丈夫とおっしゃるなら・・・
やっぱり 予定通り 竜門小屋に泊まることにしよう。\(^o^)/
遠くの景色を眺めながら ちょっと休憩していると・・・
「かき氷、食べない?」
と 声をかけていただいた。
雪渓を掘って キレイな雪をちょっとかためて
トロトロの練乳をかけた「かき氷」。
いっただっきま~す!
この方が、今晩の熊鍋のシェフとのこと。
「どこまで行くの?」
とシェフ。
「小屋に荷物を置いてから 寒江山まで花を観に行きたいな・・・と思って。」
と答えると、
「いいなぁ。オレは 明日の朝 寒江山に行こうかな。
今日は 4時間かけて熊鍋を作るからさ~。」
・・・4時間!! ( ゚Д゚)
気持ちの良い道を登り・・・
Iさんにお会いすることができ・・・
かき氷までいただいて・・・
なんてラッキーなのだろう?と思いながらいると
Iさんたちが 休憩を終えて 再び歩き出すようだったので
付いていくことにした。
Iさんたちと一緒に歩けるなんて うれしいな! \(^o^)/
・・・②へ続く…