ガスの中、母の姿はすっかり見えなくなってしまった。
昨年は、写真を撮りながらでも 遅れずに一緒に歩いてたんだけどな。
でも、
いろんな花が目に入ると
やっぱり 立ち止まって眺めてしまう。
これは?
エゾイチゲだろうか?
シラネアオイのふんわりした感じ、
いいな。
雪渓の手前で 母が待っていた。
「 も~! 遅いよ~。
捜索願を出そうかと思ったよ~。
でも 携帯を家に忘れてきたことに気づいたよ~。」
ゴメン。
「この時期の月山には初めて来た。雪渓を歩くの 初めてだよ。」
という母。
ストックを貸すと、張り切って歩き出した。
2週間前より雪渓がやわらかくなっていたし、
多くの登山者が歩いて道ができていたから、
ゆっくり行けば大丈夫だろう。
母は、何人か前を歩いている。
雪が解けたところに、ショウジョウバカマが。
再び雪渓。
ここは短い。
おお~っ!!
ガスが少しはれて 日が差してきた~!
一瞬の晴れ間を逃すまいと、
立ち止まって 遠くの景色を眺める。
そうなんだよなぁ。
ガスが晴れれば、上には青空が広がってるんだ・・・。
「 ガスで景色が見えないのは残念だけど、
晴れてたら カンカン照りで 暑くてシンドイかも。
今日は これで良しとしよう。」
・・・と言いながら 再び歩き出した。
雲の上は、夏の空。
日が差すと、
黄色の花は まぶしく光って見える。
あ!
ミヤマリンドウのつぼみだ。
咲いている花を探したら・・・
あった。
登山道から少し離れた所にも青紫の花が見えたけど、
ミヤマリンドウとは違う花。
何だろう?
ズーム。
これ、もしかしてイワギキョウ?
ヨツバシオガマ。
今までよく目にしていたのと、色が違うぞ。
ミヤマシオガマ・・・だったよね。
何だか賑やかだな。
雪が解けたばかりのところに
みんなで歌っているみたいな ヒナザクラたち。
いっせいに・・・
太陽の方を向いている・・・
チングルマたち。
アオノツガザクラ。
この花がたくさん咲くところまでくると
9合目の仏生小屋は近い。
アオノツガザクラと ハクサンチドリ、
お喋り中。
「 ハクサンフウロも綺麗だね~」
なんて 母と写真を撮っていたら・・・
ガスの中に 仏生小屋が見えた!
仏生池の淵に
ハクサンシャクナゲが たくさん咲いていた。
池の中を覗いたら、
クロサンショウウオの卵嚢が まだ少なくなっていた。
だいぶ孵ったのかな。
卵から孵ったクロサンショウウオたち、
この辺りのどこかにすんでいるのかな。
小屋の建物のそばに咲いていた小さな花、
何だろう?
図鑑を見ると、『ミヤマアカバナ』っぽいな。
こんにちは~!
小屋の前には たくさんの登山者が。
少し休憩して、今度は山頂を目指して歩き出した。
9合目を過ぎて、
この方たちも 出てきましたぞ。
これ、コメバツガザクラかなぁ?
と思ったら、コケモモらしい。
似ている花がいっぱいあって、まだよく分からない。
前々から何の花だろうと気になっていたコレ、
オオバスノキ?
濃いピンクのつぼみが可愛い。
見過ごしてしまいそうなカエデの花。
実は こんなにカワイイ。
ここ、
2週間前は 雪渓があった所だ!
雪が解けたところから、
次々に 緑の芽が顔を出していた。
曲線が いいな。
ガヤガヤ・・・
「 リリリ~ン」と音が聞こえてきそう。
よく見たら、青い実ができてる。
ガンコウラン?
コバイケイソウ!
さあ、
だんだん木道に近づいてきたんじゃないかな?
花それぞれの形や色の美しさに見とれて、
ますます時間がかかってるなぁ。
・・・③へ続く・・・