斎藤政広さんの写真展会場を出て帰ろうとしたら、
「奥の方でやっている真下さんの絵画展も とても素晴らしいですから、
ぜひ観ていって下さい。」
と斎藤さんがおっしゃったので、
観にいくことにした。
奥の方に『真下慶治記念室』があり、
パンフレットによると、今年度は6回の展示が計画されていた。
真下慶治さんは、
戸沢村に生まれ
「最上川」をライフワークに作品を描き続けた洋画家とのこと。
四季折々の最上川の 源流から河口までを
数多く描いたそう。
晩年 松山にアトリエを構えて活動拠点としていたことから
この松山文化伝承館にも所蔵作品が多くあるようだ。
この日 展示されていた作品の多くは 冬の最上川を描いたものだったが…
雪の色、川の色、空の色・・・は、
1枚として同じものがなかった。
「 雪景色には、こんなにたくさんの色彩が溢れているのか」
と驚くほど。
白や薄いグレーを基調に、
黄、黄緑、ピンク、水色、薄紫・・・などが混ざったような色が使われ、
やわらかな筆致で描かれていた。
そして、
どの絵にも 明るい光が差し込んでいた。
真下さんが描く冬の最上川の風景は、
色彩と光に満ち溢れていた。
真下さんの目・心が、
冬の景色の中にも
たくさんの色と光を感じていたからだろう。
寒く暗い冬ではなく、
明るくあたたかく優しい冬が
その展示室にはあった。