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ふと目にとまったものや感じたことを写真と言葉で綴るBLUEの日記。

◆『月山ダム物語〈下〉~第9章より〈源流登山〉~』

           

             図書館で 何気なく手に取った本。

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                 この本は、
              著者の水戸部さんが、
       16年にわたって現場に通いつめ観察した記録だった。

             この本の中で私が読んだのは、
             第9章の中の『源流登山①~⑦』。

              月山ダム工事事務所の人たちは、
        「月山ダムの源は 朝日山系寒江山と月山に発する」
              と現地説明で言っていたが、
              それを実際に見た人はおらず、

      「山に登って源流を確かめよう」ということになったのだった。

                地図を見ながら
         「三方境」と記されている三つの登山道の分岐点、
        「梵字川・寒河江川・三面川の分水点」を目標に決め、      
            昭和61年8月8日 6人で登山開始。

         「 水の流れがどんなふうになっているのか、
           梵字川の水は なぜきれいなのか、
           山系の連山は どんな木々を有しているのか、
                実際に見たい・・・」
           そんな思いを胸に登り始めたのだった。


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                  一行は、
            朝日屋旅館に泊まって 翌朝出発。
       大鳥池から以東岳に登り、目標地点に近い狐穴小屋へ。
                 山の深さ・・・
           ブナやトチなどの樹木の葉を渡る風・・・
                心奪われる花々・・・   
             きれいな水とその冷たさ・・・
              神秘の池のような大鳥池・・・
              し~んとした山の夜の闇・・・
                  満天の星・・・
       地図を見るだけでは分からなかったたくさんのことを体験。

              狐穴小屋に泊まった翌日、
     小屋から150mほど離れた場所に 小さな滝状の落下水を見つける。
         「源流の定義は そもそも何なのか」の議論をし、
    「 いくつかの沢筋を集めていて常時流れが続き、安定した水量がある」
    「 岩に生えた苔の付き具合から、年月を感じさせる。」 
                と みんなで確認。 
       見つけた滝状の落下水が源流にふさわしいと納得、判断し、
            そこに『源流杭』を打ち込んだという。

             その3週間後の8月末には、
             月山系の水源を探す登山をし、
       月山と姥ヶ岳の間の稜線から月山西側に下ったところに
       「これぞ源流」という湧水が湧き出ているのを見つけ、
               皆 感動したという。

           源流を確認し、杭を打ち込んだ瞬間は、
            どんなにか感動したことだろう。   


        ううむ・・・「源流探しの登山」というのも興味深い。


           そういえば、以前観た山歩きの番組で、
           「 これが 〇〇川の源流ですよ。」
         と ガイドさんが教えてくれる場面があった。
          有名な大きな川(名前を忘れた)のその源流は、
           山の中でキラキラ流れ落ちる水流だった。
       
              獅子ヶ鼻湿原に行った時、
  「土の中にしみ込んだ水が 300年かけて湧水となって湧き出てきている」
          という湧水を見て感激したことも思い出すなぁ。

                
                 山歩きの時に
       沢沿いの道を 沢音を聞きながら登り始めることが多いけど、
         植物たちだけでなく 水を意識しながら山を歩くのも
               おもしろいかもしれない。