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ふと目にとまったものや感じたことを写真と言葉で綴るBLUEの日記。

◆『牧野富太郎植物記3 山の花』


             図書館に この本があった。

           有名な植物学者 牧野富太郎氏の本。
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           本の角は すっかり丸くなっている。
                  見れば、
             「1979年発行 第9刷」。

 

         
         牧野氏は、「日本の植物学者の父」と言われ、
           50万点もの標本や観察記録を残し、
       多数の新種を発見し、2500種に命名したのだとか。
                   

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        一番初めに「牧野富太郎博士のことば」があり、
         その中には 心に残る文章がいくつもあった。

                 たとえば・・・

   “ わたしは、山が大好きです。
    高山の秀峰に立って雲海のかなたに御来光をながめたり、
    深山にわけいって、苔むす山道をとぼとぼ歩いていると、
    一種の霊感というものを感じ、
    俗界の垢が洗い落とされたようなすがすがしいよい気分になります。

   “ 明治17年に東京にでてからは、
    信州の高山や日光の白根山などにはよく登りました。
    そのころは貧乏書生で旅費がなかったので、
    たいていは東京からてくてく歩いていきました。
    
   “ 大旅行だったのは岩手県の岩手山に登ったときで、
    このときは東京から常陸街道を水戸、平、仙台、一関、盛岡と
    半月以上もかかって徒歩でいったものです。”
    わたしは、道々採集しながら歩くので少しもつらい旅ではありませんでした。
    この旅行はちょうど夏だったので、野宿をしながら歩いていきました。”


    登山口まで車で行って日帰りで山歩きすることが多い自分からすると、
                とにかく驚き。
    こんなふうに自分の足で歩いて採集・観察してつくられた植物図鑑は、
            ほんとうに貴重なものだと思う。

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        そして、牧野氏のことばの最後には、こんな言葉が。

       “ 高山植物や山の植物は、日本の宝ともいうべきもので、
        ただやたらに気まぐれにつみとって捨ててしまうようでは
        なさけないと思います。
        わたしたちは、こうした日本の宝である植物を
        たいせつに保護しなければなりません。
        自然を保護する気持ちがなくては、
        ほんとうに自然を愛する人にはなれません。”


     牧野氏の目には 植物たちが ほんとうに愛おしいものとして映り、
     その一つ一つを心で感じ捉えながら 観察し記録していたに違いない。


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