この本の文・写真は、
地元鶴岡市在住の太田威さんによるもの。
「 庄内平野に 秋の終わりごろ どこからともなく姿を見せる
ワシ・タカのなかま『ノスリ』の行方を知りたくて、
庄内地方の山々を歩き回ったら、
庄内平野の後ろにそびえる朝日連峰や月山のブナの森だった。
ブナの森に足を踏み入れたら、森のいたるところに水が湧き、
沢が流れていて驚いた。
庄内平野をうるおす水の源のブナの森を調べたくなった。」
…とのこと。
ブナの森に生きる動植物のこと、
季節ごとの森の様子、
ブナの成長の様子や世代交代のこと、
森と他の生物との関わり、
緑のダムのひみつ、
人々とブナの森の関わり…
…などが書かれていた。
読んでいるうちに、
昨年歩いた山々のブナ林のことを思い出した。
摩耶山にて
湯ノ沢岳にて
湯ノ沢岳にて
大鳥にて
大鳥にて
大鳥にて
そうそう、
「縄文文化をささえたブナの森」
という話もあり、興味深く読んだ。
縄文時代の遺跡の分布を見ると、
ブナにおおわれていた東北から北陸にかけての日本海側の雪深い地方に集中している
…ということ。
縄文時代の人々が、
木の実を主食にし、山菜やキノコ、サクラマスやサケなどの魚、鳥、けものをとり、
想像以上に豊かな生活を送っていたようであることが
遺跡の様子からわかるということ。
私が歩いたブナの森で
何千年も前の人々が 豊かな生活を送っていた様子を想像すると、
本当にワクワクするし…
また 山を歩きたい気持ちが大きくなる。
以東岳にて
表紙裏には、
『ブナの森のめぐみ』として、
人々の暮らしとブナの森とのかかわりが
イラストで描かれていた。
もっともっとブナの森を歩きたい…
もっともっとブナの森について知りたい…
と思わせてくれた本だった。